2023阿蘇ボルケーノトレイルに参加してきました

2023阿蘇ボルケーノトレイル

阿蘇の草原を次の千年につなぐをコンセプトに熊本県阿蘇の外輪山を周る阿蘇ボルケーノトレイルに参加してきました。この大会は阿蘇地域6市町村の観光協会などでつくる実行委員会が、草原保全への理解を高め、観光振興を図る目的に初めて開催したもので、参加には前泊が必須の大会です。

阿蘇ボルケーノ
https://aso-field-run.jp/volcano/

目次

準備

思い起こせば最後に出場したのが2019年のUTMFで、その間コロナ禍や手術、体調の不良などあり4年ぶりとなるロングトレイルの大会となりました。

再び100マイルレースに出場するには100キロ超の大会で完走しなければなりません。しかしこの4年完走の実績がないため、再びチャレンジするには30キロの大会から始めなければなりませんでした。

しかしこの阿蘇ボルケーノは過去4年間の完走実績でエントリーできたので、迷わずにエントリーを決めました。

ここで完走すればまた、マイルレースにチャレンジすることができるかもしれない。一度は諦めかけたマイラーの夢ですが、希望の光が差したようで急にやる気にスイッチが入りました。

しかしコロナ禍の中、練習らしい練習もできておらず、しかも片腎ゆえ脱水症状等に気をつけなければならないというリスクもあり無理はできません。そういった準備不足の中での挑戦となりました。

何せ久しぶりのロングトレイルです。何から用意したら良いのかすっかり忘れていたため、まずは長時間、体を動かせるのかどうかということと、装備品のチェックを兼ねて2月11日〜12日に脊振全山縦走に参加しました。

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次に4月8日〜9日に80キロ(ぐるっと北九州)を遅めのペースでもランを交えて無事終えることができ、まずまずの感触を得ることができました。最後は4月29日〜30日(ぐるっと北九州ナイト)を大雨の中こなし、とりあえず装備品に関してはなんとか準備することができました。

装備品一覧

阿蘇ボルケーノ装備一覧

練習会を元に暑くても寒くても装備品はしっかり準備することにしました。4年前までは軽量化のため10リットルザックを使用していましたが、今回は20リットルザックに変更して、インナー類の着替え一式を用意して、デポバックまでの間いつでも着替えられる準備をしました。

使用したザックはパーゴワークスのラッシュ20。このザックは重量バランスやショルダーの形状が素晴らしく、フィット感に優れ、重さを感じさせず長時間使用しても肩が痛くならない優れものです。

100キロ超えの大会の場合、私のような遅いランナーは荷物を削って軽量化するのではなく、20リットルくらいのザックに充分な準備をして臨んだ方が良いと改めて思いました。

ウェア

インナーシャツ:モンベル ジオラインTシャツ
パンツ:ユニクロ エアリズムウルトラシームレスボクサーブリーフ
アウタードライTシャツ
パンツフーディニ
レインオンヨネ(上のみ)
ソックスインナーファクト 5本指
グローブテムレス
シューズHOKA スピードゴート5
時計スント9 Baro

ザックの中身

ザックPARGO WORKS RUSH20
予備のウェアインナー:オンヨネ ブレステックPP、ユニクロ エアリズムウルトラシームレスパンツ
Tシャツ
長袖ウェア:モンベル ウィックロンZEO
フーディニ:パタゴニア
レインウェアオンヨネ(下のみ)
ソックス予備 C3fit(ペーパーファイバー)
ヘッデンレッドレンザー(NEO10R)、ペツル
予備バッテリー
電気類モバイルバッテリー、充電ケーブル(iPhone、スント用)
エマージェンシーサバイバルブランケット
ProtectJ1、テーピング、絆創膏
その他キャップ、バフ、歯ブラシ、ティッシュ、携帯トイレ、携帯カップ(ウルトラスパイア)、コースマップ

補給食

固形物味覚糖 もち麦バー(6本)、ブルボン スローバー(2本)、エネもち(2本)、塩ジェル(2本)、炎熱サプリ(1袋)
飲料水(1リットル)

ドロップバック

シューズイノベイト トレイルタロン280
インナーシャツ:オンヨネ ブレステックPP半袖
パンツ:ユニクロ エアリズムウルトラシームレスボクサーブリーフ
モンベル 腹巻き
ウェアパタゴニア キャプリーン3、Tシャツ
パンツパタゴニア トレイルフェアラーショーツ6インチ
パタゴニア ウィンドシールドパンツ
ソックスインナーファクト 5本指
グローブテムレス防寒
その他使い捨てカイロ、テーピング、

受付

受付会場はスタート地点でもある阿蘇ミルクファクトリーで行われます。

到着するとスタート地点にはすでにゲートが用意されていて、否が応でも気持ちが上がります。

最初のチェック項目はシューズの裏の泥。牧野を走るため口蹄疫やBSEなどの家畜伝染病のリスクを回避するため、徹底した洗浄が義務付けられています。その後必須装備品の中から指定された装備品を確認され無事終了。

久しぶりの友人たちにも会えて終始和やかな雰囲気の中宿へ移動しました。

前泊

阿蘇ボルケーノは指定されたホテルでの前泊が必須の大会です。

エントリー後に指定されたホテルから選んで宿泊予約を行います。私はスタート会場から近い阿蘇ホテルを予約しました。各ホテルとも一人部屋から4〜5人部屋と選べるようになっており、複数人で宿泊すると少し安くなったり、小学生以下のお子さんは半額になったりと家族で宿泊するのにも便利なシステムになっていました。

到着後すぐに温泉へ。ちょっと旅行気分に浸れました。阿蘇最高!

部屋に戻り明日のドロップバックを用意。天気予報では午前中まで雨予報で、気温も低めだったのでしっかりと着替え類を準備。用意されたドロップバックは大きさも充分だったので、ザック同様荷物は削らずに用意しました。

やはりあると安心感に繋がるし、どうせ使わなくても戻して受け取ればいいのですから、ドロップバックの中身は何が起きても対応できるようにするのが良いと思います。

スタートからA1

朝、ホテルを出る頃から雨が降り出し、スタート会場へ到着したあたりから本降りになり気温も低め。それでもスタート会場ではしばらく会っていなかった友人・知人に再会することができ、まるで同窓会のような楽しさです。

午前8時に

ボルケーノ!

の合図とともにスタートしました。スタートしてしばらく団子状態が続きます。そのとき4年間のことが色々思い出され、また大会に出場できるようになったんんだと、胸の奥からグッとくるものを感じました。

スタートしてしばらくロードを走り、外輪山へと上ります。上がった後は国道沿いに細いシングルトラックをしばらく抜けると牧野が現れました。本来なら阿蘇の絶景が楽しめるのですが、あいにくの天候のため真っ白。それでもたまに雲の切れ間から下界を見ることができ気分も最高でした。

知り合いのボランティアの方から元気をもらい「あ〜、大会ってこんな感じだったなぁ〜。楽しいなぁ〜」と感無量。大自然の景色と何者にも束縛されない開放感、そして仲間からの声援。これこそがトレランの醍醐味なんだと4年ぶりに再確認した瞬間でした。

牧野を抜けスタート地点のある阿蘇ミルクファクトリーに帰ってきます。阿蘇ボルケーノのコースは上って外輪山を周り、下ってエイドというパターンで進んでいきます。

阿蘇は火山灰地のため雨が降ると黒土がまるで粘土のようにぬかるみ滑りやすくなります。特に下りは足を置くとツルッと行くので注意が必要です。多くのランナーが駆け抜けたコースは、ただでさえ滑りやすいのに拍車をかけるようにツルツルになるという悪環境。下りでは随分と抜かれましたが、今回は完走が目的なので気にせずに進みます。

途中転んだ時に、時計のログが終了してしまい再度ログを取り直すというアクシデント発生。これで距離がわからなくなってしまい少し焦りました。こういうのは初めてだったので次回からロックをかけておかなきゃなと反省。すぐに一緒に走っている友人に今の距離を聞いて大体の距離が分かりましたが、疲れてくると頭の中で計算するのも面倒になるのでやっぱりロックした方がいいですね。

A1に予定通り到着。

ここは応援可能エリアなのでサポートの奥さんがいます。エイドのだご汁を食べながら急いでおにぎりを頬張りながら、思ったよりもお腹が空いていたので、補給食をすぐに食べられるようにいつも入れている場所に多めに入れておきます。

ここでも友人知人たちに会え、写真を撮ってもらったりして和気あいあいの雰囲気でしたが、長く止まるとすぐに冷えてしまうので15分で再出発。

この辺りから雨が本降りになり気温も上がらなくなってきました。

A1からA2

A1を出発してまた外輪山を上っていきます。今回のコース設定はA3までの関門が厳しめに設定されているので、気を抜かずに少しプッシュしながら進まないと関門アウトになる可能性がありました。

途中大観峰あたりに上地点で、雨のためかコースが一部変更になっているところがあり舗装路を使って登ります。

台上に到着するとさっきよりも風が強くなっている気がします。レインウェアのファスナーを首元まで締めフードが取れないように気をつけます。

牧野のなだらかな稜線をどんどん進んでいきます。これは阿蘇じゃないと味わえない感覚でとても快適。何度もこれが晴れだったらと思いますが仕方がありません。今を楽しむことがこの4年間で学んだ大きな気づきなんだと自分に言い聞かせます。

ここでも知り合いが誘導のボラをしてくれてて励ましてくれます。

「ありがとう!」

嬉しくってマジで泣きそうになるのを堪えるのが大変です。

そしてまたやってきた魔の下り。4年前に比べ明らかに体の反応が鈍くなっているのを感じます。滑った時の反応が遅いからすぐに転んでしまう。なので後ろからプッシュされるとすぐに先に行ってもらうようにしました。もうスピードじゃないんだなとちょっと寂しさを感じつつも、こんなところで下手に足を使ってしまっては勿体無いのでカメ下りです。

そうこうしながらやっと下り終え舗装路に出るとホッとします。

少し進みエイドの手前で奥さんがこんな所でも待っていてくれました。みんなの写真を撮るとのこと。そりゃみんな嬉しいだろうなぁ〜。と言いつつ僕も元気をもらってエイドへ進みます。

A2の国造神社に到着。ここも予定通りの時間だ。温かい汁物とおにぎりをいただく。めちゃくちゃ美味い。味わって食べていると、名前を呼ばれ顔をあげるとCHさんがいた。

CHさんはめちゃくちゃ美人で光り輝いている元気の塊みたいな人だ。あれ?なんでこんな所にいるの?って聞いたら

「私はいつも国造神社の担当だよ!」とたわいも無い話をしながら元気をもらう。エイドと友達。トレランの醍醐味だ。

みんな持ち場があるのであまり話もしていられない。すぐに出発の準備をして予定通り15分で出発しました。

A2からA3

台上に上がると風が強かったが、体も快調に動き余裕すらあった。牧野をゆるゆる走りながら進む。下りではもうスリッピーなんていうもんじゃなかった。足を置く場所もないのでどんどん脇道に足を置くためトレイルが広くなっていく。マナーは分かっているがもうしょうがなかった。

なんとかA3の坂梨公民館に到着。とにかく温かい食べ物が嬉しい。レインを着ていてももはや汗と雨で中も外もぐちょぐちょ。気温も低くなっているせいか止まるとすぐに熱を奪われる。

たまらず上だけ着替えることにした。これから日が沈むのでベースレイヤーを着替えミッドレイヤーもTシャツから長袖に着替えた。レインは前回Sくんから教えてもらった通り、持参していたマイクロファイバークロスで内側を拭き取った。こうするだけで随分と水分が取れる。とても便利だった。

指先もこれまでノーグローブだったが、テムレス防寒グローブを装着した。

ヘッデンを装着して背中の点滅ランプをオンにして出発。想定では15分の休憩時間だったが30分かかってしまった。1時間30分あった貯金は1時間に減ってしまった。しかし慌てることはない。まだ先は長いのだから。

A3からA4

全区間において上りは全然ペースが上がらない。もう、これは練習不足と自分の弱さだ。泣き言言ってもしょうがないのでただ進むだけだ。台上に上がると突風が吹き荒れる。

本来ならなだらかな稜線なのだろうが、ツルツルで足を置く場所を選ぶのにも苦労する。途中兵庫の方と熊本の方とお話しする機会があって少し和んだ。

途中から日が暮れ真っ暗な中、進んでいくと急にひらけたところでコーステープを見失った。昼間なら問題ないのだろうが夜間はもう少し間隔を狭くするとか、点滅するとか工夫して欲しいと思った。大勢のランナーがいたのでなんとかなったが、単独走だと見つけるのも一苦労しそうだ。

その後のコースは傾斜のついた田んぼが永遠と続くようなコースだった。掴むものもなく足を置くとすぐに滑ってしまう。仕方がないのでお尻をついて滑ると止まることなく数メートル下に落ちていく。冗談抜きに悲鳴をあげてしまったほどだ。

咄嗟のバランスを崩した時などの反応が鈍くなっていて、悔しいが加齢を感じざるを得なかった。

ここで予定よりも1時間ロスしたようで到着予定時間より1時間遅く到着した。正直もう止めるつもりでエイドに入り、妻に「もうやめようと思う」と言った後で「とりあえず着替えてから考える」とだけ伝えて電話を切った。

トイレに行き足を洗い、着替えを済ませていると、ゴールは無理でも行けるところまで行って止めよう。という気持ちになり、テーピングを貼り直した。

制限時間までに関門を出なければならないので慌てながらなんとか準備を済ませて出発。

さぁ、どこまで行けるのやら。

そして終了

エイドで何も食べられなかったため、無性に腹が減ってきた。持っている補給食を食べスイーパーを背中に感じながらの出発。一緒に出発したM君とKさんと進むものの、どうしたものか体がすごく重たく感じた。

どんどん離されていくので「やべーな」と思いつつついていく。

ヤマヒルが出ると言われているエリアに入ると木段が始まった。ヒルに気をつけつつ上ると今度は今まで以上に息が苦しくなってきた。上りは遅いのだけれど尋常じゃないほど上れず、途中で友人のYさんがいるところで、これ以上粘っても運営に迷惑をかけてしまうと判断しリタイヤを決めました。

内心悔しさは微塵もなく、逆に晴れ晴れとしていました。

レース後の色々

前回の阿蘇の大会が5年前に行われておりその時のイメージで計画してしまった。やはり体力の衰えは拭えずその上練習不足が重なり完全に力不足でした。

A4までのペースは快調だったので上りとスタミナをつけるとまだまだ行けるのかこれは不明。

A1最初のあたりでスントのログが止まっていて、その後の距離が分からなくなってしまった。そうならないためにもスタートしたらロック機能を使うことを心がけないと。

スントに登録しておいたGPXデータを使いこなせなかった。なんでもそうだけど本番でいきなり試すのは危険。練習の時に試しておかないと意味がない。

レインの撥水機能が終わっていた。勿体無いとか言っている場合じゃないね。買い直そう。

急遽ラッシュ20を使ったのでポケット位置やどこに何を入れるのか分からず探してしまった。これも練習から試しておかないといけませんね。

まぁ、なんだかんだ書きましたが、やっぱり大会に出場するのは楽しかったです。

ポイントは取れなかったけど50キロくらいの大会からまたやり直そうと思います。私の場合腎臓が1個しかないため無理もできませんが、様子を見ながら楽しみたいと思います。

来年リベンジするかどうかはさておき、とりあえず出場資格を得るために次に大会にエントリーしました。こちらも今までとは違った気持ちで楽しんでこようと思います。

自分の備忘録として書き残しましたが、読んでくださった方がいらしたら嬉しいです。またどこかのトレイルでお会いしましょう。

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この記事を書いた人

パソコンとネットの何でも屋さん兼農家見習い中
2021年に奥さんに腎移植して人生の価値観が大きく変わりました
何が起きても諦めずに生き抜く力が一番大切
時々ブログも書いてます

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