人の体は鍛えることでどこまで進化するのだろう。
私が走り続ける理由の一つは、その答えを知りたいからです。
1年前の自分には想像もできませんでした。
こんなにも強いランナーたちと一緒に、100kmもの距離を走る日が来るなんて。
今回、また一つ忘れられない経験をさせてもらいました。
少し長い話になりますが、お付き合いください。
「100km走りませんか?」という誘い

ある日、FacebookでつながっていたOGSさんから連絡をいただきました。
「ロング走をするので一緒に行きませんか?」
内容を聞いてみると、北九州周辺の峠をつなぎながら約100kmを走るというもの。
正直な感想は、
「そんなの無理に決まってる!」
でした。
しかし、一緒に走るメンバーの中には以前から憧れていたBANさんの名前もありました。
完走できる保証はない。
それでも、できるところまで挑戦してみよう。
そんな気持ちで参加を決めました。
北九州を巡る100kmコース
今回のスタート地点はJR八幡駅。

ルートは、
八幡駅 → 皿倉平 → 河内藤園 → 市瀬峠 → 鷹見神社 → 畑貯水池 → 合馬峠 → かかしうどん → 平尾台 → みやこ峠 → 朽網駅 → 昭和池 → 貫山 → 小倉競馬場周辺
という壮大なもの。
距離感も獲得標高もほとんど想像できないまま、夜の北九州へ走り出しました。
アンドラ対策のためのロード主体練習

今回の練習は、OGSさんとBANさんが7月に出場予定だったアンドラのレース対策も兼ねていました。
アンドラのコースは岩場や硬い路面が多いそうです。
そのため今回の設定は、
- ロード85%
- 林道10%
- トレイル5%
という珍しい構成。
トレイルランニングの練習と聞くと山道ばかりを想像しますが、ウルトラトレイルでは長時間のロード耐性も重要になります。
最初の洗礼
皿倉山を越え、河内方面へ下り、市瀬峠から鷹見神社へ。
深夜のコンビニで休憩を挟みながら進みます。
そして畑貯水池から県道61号へ。
欅谷から続く登り区間では、カーブ標識ごとにペースアップ。
これが本当にきつかった。
「このペースが最後まで続くの?」
そんな不安が頭をよぎります。
それでも先を行く二人の背中を見失わないよう必死についていきました。
ナイトランだから分かること
夜通し走る経験には大きな意味があります。
ヘッドライトの明るさ。
電池の持続時間。
ウェアリング。
補給のタイミング。
どれも昼間の練習では確認できません。
もし出場するレースに夜間パートがあるなら、一度はナイトランを経験しておくべきだと改めて感じました。
この日は新月。
月明かりのない夜空には無数の星が輝いていました。
苦しいだけではない。
そんな景色に出会えるのもナイトランの魅力です。

40km地点「かかしうどん」が最高のエイドになる
最初の大きな目標地点は小倉南区の「かかしうどん」。
24時間営業のありがたい存在です。(※現在は24時間営業ではないようです。)
到着した時点で、
- 約40km走破
- 経過時間約6時間
深夜2時を回っていました。
お腹は空っぽ。
そこで注文したのは、いつもの肉うどん。
小うどんに肉をトッピングしたお気に入りの組み合わせです。
冷えた体に温かい出汁が染み渡る。
100km練習の途中だからこそ、いつも以上に美味しく感じました。
周囲から見れば、深夜にヘッドライトを付けたランナー3人が黙々とうどんを食べている。
かなり不思議な光景だったと思います。




平尾台で迎えた最高の朝
かかしうどんを出発し、次は平尾台へ。
吹上峠を登るころには東の空が少しずつ明るくなり始めていました。
そして中峠へ到着。
ちょうどその瞬間、日の出。
実はこのタイミングもOGSさんの計画通りでした。
時間を計算し、日の出の瞬間に平尾台へ到着する。
その綿密さに驚くと同時に、心から感動しました。
朝日に照らされた平尾台は何度見ても美しい。
眠気も疲労も、一瞬だけ忘れさせてくれる景色でした。

平尾台の知られざる表情
北九州側から見る平尾台と、行橋・苅田側から見る平尾台はまるで別の山のようです。
普段見慣れているカルスト台地の景色とは違う表情を見せてくれます。
今回のロング走で、その魅力を改めて知ることができました。
走るスピードだからこそ見える景色がある。
そんな発見もロング走の楽しさの一つです。
最大の敵は睡魔だった



みやこ峠へ向かう頃。
これまで感じたことのない強烈な眠気に襲われました。
夜中は意外と眠くならない。
しかし朝が過ぎ、お昼が近づく頃になると眠気が一気に押し寄せてきます。
特にロード区間のような単調な景色が続く場所では危険です。


コンビニに立ち寄り、普段は飲まないエナジードリンクを投入。
この時点で、
- 経過時間12時間30分
- 走行距離約73km
もちろん一睡もしていません。
体は重い。
眠い。
それでも前へ進むしかない。
100kmへの挑戦は、まだ終わりません。
【後編へ続く】

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