「いっど待て」——キャリア60年の炭焼き名人が実践してきたシンプルな知恵

「いっど待て」——この言葉、聞いたことありますか?

鹿児島弁で「ちょっと待て」という意味です。今回この言葉を書き留めておきたくなったのは、鹿児島を訪れた際に、ある炭焼きの名人と出会ったからです。

炭焼きといっても、ただ炭窯で木を燃やすだけではありません。山に入り、自ら木を切り出し、そこから炭を焼き上げる。火を止めるタイミングが早すぎると炭にならない。遅すぎると灰になってしまう。そのギリギリのタイミングを長年の経験と勘で見極めるのだそうです。

その方は17歳から炭焼きを始め、キャリアはもうすぐ60年。山での仕事は危険と隣り合わせですが、大きな怪我や事故は一度もないといいます。その秘訣を尋ねると、返ってきた言葉が「いっど待て」でした。

何事も焦って動くのではなく、しっかり考えてリスクを最大限に減らしてからベストな方法で対処する。シンプルな言葉ですが、60年間それを愚直に実践してきた人の口から出た言葉の重みはまるで違うものでした。

頭ではわかっているんです。でも気が焦っているとき、あるいは逆に調子がいいときほど、人はリスクを考えずに動いてしまう。自分自身、何度も同じ失敗を繰り返してきました。だからこそ、この言葉が耳に深く残りました。

何かに挑むとき、失敗ばかりを恐れていては何もできません。でも、何も考えずにただやるだけでは、経験は積めても学びにはならない。大切なのは、最悪の事態を想定した上で「それでも進む」と決める勇気だと思います。

「いっど待て」——これからの自分にとって、大切にしたい言葉になりました。

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この記事を書いた人

30代で独立、妻への腎移植、自身もIgA腎症に。トレラン大好きだった自営業者です。病気やお金の不安があっても生活は続く。夫婦で60代を迎えるにあたり、福岡で小さな畑を耕し半自給自足の丁寧な暮らしへ。「急がない。でも、やめない。」をモットーに好きなことをぼつぼつ。ブログと音声配信もやってます。

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