家庭菜園を始めて、気づけばもう10年を超えました。最初庭で始めた家庭菜園が、今は約10平方メートルの畑で年間40種類ほどの野菜を育てるようになりました。
「50代・60代を迎えて、これからの健康や生活が少し心配になってきた」「定年後に体に無理なくできる趣味を探している」——そんな同世代の方に向けて、我が家のリアルな夏野菜の準備と、長く楽しく続けるコツをお伝えします。
野菜作りが長続きする理由
野菜作りの魅力は、そのバラエティの豊かさにあります。土作りから始まり、何を育てるかを考え、日々の成長を見守り、収穫する。そのプロセスのひとつひとつに発見があります。
なんといっても、収穫したての野菜のおいしさは格別です。家族が喜んでくれる顔を見ると、次もまた頑張ろうという気持ちになります。慣れてくると量も作れるようになるので、友人や知人に分けてあげると、これがまたとても喜ばれます。
私の場合は「楽しい趣味」というだけでなく、家庭の食を自分でまかなう「半自給生活」を目指しているので、畑仕事はもはや生活の一部になっています。とはいえ、そんな堅苦しく考えなくても大丈夫です。まずは楽しく作って、喜んでもらえる——それだけで十分に価値があります。
何から始めればいいか、体力的にできるかどうか、不安はいろいろあると思います。でも「小さく始めて、自分に合うかどうか確かめる」というやり方なら、無理なく続けられます。
我が家の「今年の夏野菜」ラインナップ
参考までに、今年の我が家の夏野菜をご紹介します。畑の特性に合わせて3つのエリアに分けて管理しています。
畑A|手のかからないつる性野菜を中心に さつまいも(紅はるか・安納芋・ハロウィンスイート・ふくむらさき)、かぼちゃ(ブラックのジョー・そうめんかぼちゃ・バターナッツ・コリンキー)、冬瓜、まくわうり
畑B|毎日の水やりが必要な野菜を集めて きゅうり、ゴーヤ、豆類(ささげ豆・モロッコ豆・四角豆)、トマト、なす、ズッキーニ、人参、赤しそ、ケール、鷹の爪
庭|毎日の食卓にすぐ使えるものを手近に レタス類、水前寺菜、つるむらさき、パセリ、オクラ、ねぎ、モロヘイヤ、空芯菜、パプリカ、アシタバ、ピーマン、バジル、パクチー、大葉
いきなりこれだけ作ろうとしなくて大丈夫です。私も少しずつ種類と場所を増やしながら、12年かけてここまで来ました。
初めての夏野菜、何を作る?
夏野菜の代表格といえばトマト・なす・ピーマンあたりでしょうか。最近のホームセンターには種類豊富な苗が並んでいて、どれを選べばいいか迷いますよね。
答えはシンプルで、自分が食べたいものを作るのが一番です。
苗を選ぶ際は「接木苗」を選ぶと病気に強くて安心です。土は「野菜作りの土」という名前のものをプランターや畑に混ぜ込むだけで、最初のうちは十分です。
YouTubeにはたくさんの情報がありますが、基礎がわからないと何を言っているかわからないことも多く、そもそも地域の気候や土壌によって育て方は違います。最初はあまり情報を集めすぎず、シンプルに一歩踏み出すことをおすすめします。
トマトの植付け、基本の手順
たとえばトマトを選んだなら、用意するものは接木苗・土・支柱(緑色の棒)の3つだけです。
- 土をスコップで柔らかくほぐし、苗のポット分くらいの穴を掘る
- 苗を優しく埋めて、しっかり水をやる
- 支柱を立てて、苗を軽く結んでおく(雨風で折れるのを防ぐ)
水やりのコツは、地表が乾いてからたっぷりあげること。毎日与えすぎると根が頑張らなくなります。植物も人間と同じで、少し頑張らなければいけない環境の方がよく育つようです。
2週間ほど経った頃の「追肥(ついひ)」や、余分な枝を摘み取る「芽かき」の具体的な手順については、ぜひネットや動画で「トマトの育て方」と検索してみてください。驚くほどたくさんの情報が出てきますが、まずは一番シンプルな方法を1つ真似してみるのがコツです。
この辺までトマトという植物を毎日見ていると、随分と葉っぱの形や、花の形、脇芽の形などわかるようになってくると思います。
野菜作りってそういう毎日の観察眼を鍛えることも必要だと思います。
体力に合わせた「土作りと植え付け準備」
家庭菜園でも道具は色々と必要になってきます。最初のうちは鍬とスコップくらいから買い揃えるのが良いと思います。
慣れてくると三角ホーという独特な形状の鍬が便利なのでおすすめです。
道具はそれほど高くないので買っておいて損はないと思います。市民農園などでしたら道具の貸し出しを行なっているところもあるので、実際に使ってみてから購入するのも良いでしょう。
全部手仕事でするとなるとなかなかの重労働なので、途中から耕運機が欲しくなります。いわゆる管理機というやつですね。これはとても便利ですが置き場所が必要になりますし、エンジンを積んでいるのでメンテナンスが必要になります。
それができるのであれば絶対に買って損はありません。
私が使っているのはホンダのこまめ(F220)というモデルですが、今ではこれ無くしては作業をすることが考えられなくなりました。

そして最も重要なことですが、50代以降の菜園生活は「がんばりすぎないこと」がコツだということです。
私自身腎臓に疾患があるので必ず水分を持っての作業ですし、日中の炎天下の元での作業は避け、休憩をとりながらの作業を心がけています。
続けていくことが最も大切なことですので、是非皆さんも無理をしない楽しいと感じられる菜園生活を送ってほしいと思います。
収穫したあとの「小さな楽しみ」
さあ、いよいよ収穫の時期を迎えました。
少々形が悪くたって、表面にヒビが入っても関係ありません。毎日世話をしてあげてきた努力の結晶です。
美味しいに決まっています。
あと忘れてはいけないのが、カラスの存在です。
トマトの収穫期はカラスとの戦いなので注意が必要なのです。
近くでカラスの鳴き声が聞こえ出したらネットを張るなどして防御しましょう。
そして無事収穫したトマトはサラダで食べるのもよし、たくさん獲れたらトマトソースにしてスープやパスタにするとさらに美味しく食べられますよ。
作っても、食べても、料理をしても楽しめる家庭菜園。野菜はお店に行けばいくらでも買えますが、収穫したての新鮮な野菜のおいしさを知ったら、それを食べる喜びや家族の笑顔を見れると分かったら、あなたもちょっとだけ自給自足がしたくなりますよ。
全部なんて考えなくても良いんです。ちょこっと自給自足を楽しんでみませんか。
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