病気になっても生活は続く|IgA腎症と診断されて考えた、これからの「つづく生活」
先月受けた腎生検の結果、「IgA腎症(アイジーエー腎症)」と診断されました。
先生の説明によると、ウイルスなどの外敵に対して体が作った「免疫複合体」というものが、たまたま腎臓にくっついて炎症を起こしている状態だそうです。幸い軽度の段階で見つかったため、ステロイドパルス療法という治療を行うことになりました。
また入院か——正直な気持ち
今回の入院スケジュールは「3日入院→4日退院→3日入院」というサイクルです。以前の手術では12センチほど切って2日間動けなかったことを思えば、気持ち的にはずいぶん楽でした。
それでも「あ〜、また入院か」と思ったのが正直なところです。入院って、やっぱり楽しくないですよね。
ステロイドパルス療法とは

免疫とは、体に入ってきた細菌やウイルスなどの異物を排除するための防御システムです。しかしこの働きが強すぎたり、誤って自分の細胞を攻撃したりすると、臓器に炎症や障害が起こります。IgA腎症もその一つです。
この炎症を抑えるために使われるのがステロイドパルス療法で、私の場合は「メチルプレドニゾロン(0.5g×3日間)」を点滴投与することになりました。高用量のステロイドを短期間に集中して使う治療法で、効果が高い反面、副作用も少なくありません。
主な副作用としては、感染症リスクの上昇、胃潰瘍・消化管出血、不眠や不安などの精神症状、血糖値・血圧の上昇、骨粗しょう症、体重増加や顔のむくみ、白内障・緑内障などが挙げられます(参考:日本腎臓学会ガイドライン2023)。
さらに私の場合、再発防止のために少量のステロイドを2年間服用し続ける計画です。
正直、説明を聞いてビビりました。でも、治療しなければ炎症が進んで腎機能が悪化し、最悪透析になる可能性もあります。だからこそ「軽度のうちに見つかってラッキーだった」と思うようにしました。そして何より、健康なうちに妻に腎臓を提供できていたことを、改めてよかったと感じています。

「前向きに考えよう」は簡単じゃない

病気になると、ついネガティブな気持ちに引っ張られます。周りから「考えても仕方ない、ポジティブに」と言われることもありますが、そんなに簡単に切り替えられるものではありません。不安が先に立つし、将来を考えれば考えるほど落ち込むこともある。
生活も変わります。食事のタンパク質と塩分のコントロール、感染症予防のための人混みを避ける生活、免疫力を下げないための無理をしない日々——。
でも、現実は変わりません。不安に引っ張られて考えていることの多くは「妄想」で、実際にはそれほどのことではないことも多い。だったら今できることで、少しでも楽しくなることを考えて動いていこう。ぐるぐる回って結局、自分の足元を見て前を向くしかないんですよね。
今年やってみたこと、そして気づき
実は今年の初め、「60代からの生き方」を真剣に考えました。その一歩として、野菜の品目を絞って収量を上げ、加工品の販売に力を入れてみたのです。
結果は——惨敗でした(笑)。
労働力と売り上げがまったく釣り合わず、やればやるほど赤字になる感じ。食品はどれだけ価値を高めても一個数万円の野菜を作ることはできません。品質の良いものをいかに効率よくたくさん作るかがビジネスの基本で、そのためには大きな圃場と機械と置き場所が必要です。私の規模では到底無理だと判断し、一旦この考えは寝かせることにしました。
それでも得られた学びはありました。野菜を作れるようになったこと、加工場を作ったこと。正しいやり方を間違えなければ、まだまだ打てる手はあるという気づきです。
そこに追い打ちをかけるように、今回のIgA腎症。一つしかない腎臓に炎症が起きている以上、無理のきかない体になったことを受け入れ、生活と仕事のスタイルを見直す必要があると感じています。
これまでは「家族やお客さんを支える側」と思っていましたが、これからは「助けてもらう立場」になることもある。だからこそ、できるだけ自分のことは自分でできる暮らしを大切にしながら、新しい形で生業を作っていきたいと思っています。
人生の”再構築”期にいる今
60歳を目前にして、何度目かの岐路に立っている気がします。これからは、
- 今の自分にできること
- 少し頑張れば形になること
- 誰かの喜びにつながること
この3つを軸に、小さく積み重ねていくつもりです。
仕事というと「お金」や「売上」に目がいきがちですが、「やりがい」や「価値」も立派な仕事です。必要以上のお金を稼ぐより、自分が心地よく生きていける範囲を知ることの方が、今の自分には大切だと感じています。
50代・60代は「人生のゴールデンタイム」
ある記事でこんな言葉を見かけました。「50代・60代は人生のゴールデンタイム」。体力がまだそこそこ残っていて、お金もある程度自由になり、自分の時間も確保しやすい。40代は体力はあっても時間とお金に余裕がなく、70代になると体力が落ちてやりたいことが限られてくる。だからこそ今が一番楽しめる時間だというのです。
私はもうその時間をかなり使ってきましたが、これからも治療と生活を両立しながら、できるだけ楽しんで過ごしていきたいと思っています。
おわりに
今回の病気は、自分の体とこれからの生き方を深く見つめ直すきっかけになりました。「できることを無理せず、今を楽しむ」——そんな姿勢で、腎疾患を抱えながらも夫婦2人で新しい「つづく生活」を積み重ねていきたいと思います。
病気になっても、生活は続きます。だったら楽しまないと損ですよね。
急がない。でも、やめない。
この言葉をモットーにこれからも続けていこうと思います。
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