家庭菜園のススメ──10年続けて見えた、50代からの野菜作りの魅力

家庭菜園のススメ

家庭菜園を始めて、早いもので10年ほどになります。最初は小さな庭の一角で、ほんの少しだけ野菜を育てていただけでした。でも気づけば、今では夏と冬それぞれ20種類ほどの野菜を育てるまでになり、家庭菜園の場も庭を含めて3カ所に広がりました。

もちろん、夫婦二人ではとても食べきれない量なので、収穫した野菜は友人たちにおすそ分けしたり、一部を直売所で販売したり、加工して商品化するまでになっています。

野菜の植え付けや植え替え、成長を見守って管理するのはなかなか大変ですが、それでもやっぱり、野菜がすくすく育っていく姿を見るのは本当に楽しくて、飽きることがありません。

目次

野菜作りを始めたきっかけ

そもそも私が野菜作りを始めたのは、東北の震災がきっかけでした。あのとき、「自分で食べ物を育てられること」は、生き抜く上で大切な力だと強く感じました。

そして実際に始めてみると、思いのほか自分の性格に野菜作りが合っていたんだと思います。次第に作る量が増え、種類も増え、今では毎日の食卓に複数の野菜が並ぶのが当たり前になりました。ピーク時にはサラダだけでも5種類以上の野菜が使えるほどです。今では季節の野菜はほとんど賄えるほどになりました。

採れたての野菜は、驚くほど新鮮でおいしくて、その喜びは何にも代えがたいものがあります。

「スーパーには売ってない味」と言われて

よく友人たちに言われるのが、

「こんなにおいしいサラダはスーパーで買ってきた野菜じゃ食べられない!」
「一度にこんなに種類の野菜を買うのは無理!」
というような言葉です。

そんな声を聞くたびに、「やっててよかったな」と思いますし、これからもできる限りはずっと続けていきたいと思っています。

「すること」と「行くところ」があるということ

私が家庭菜園を人におすすめしたい理由のひとつに、「いくつになっても“すること”と“行くところ”ができる」ことがあります。

私は自営業をしているので、もともと毎日何かしらやることはありますが、それでも家庭菜園があることで、またひとつ自分の生活にリズムと張り合いが生まれます。

そして育てた野菜を誰かに喜んでもらえるという満足感もあります。これから年齢を重ねていくにつれ、体力や能力が少しずつ落ちていくのは、自然なことですし抗うことはできません。でもそんな中で、「自分が頑張った成果で誰かが笑顔になる」というのは、すごく価値のある経験ではないでしょうか。

野菜や土から教わること

家庭菜園は、ただ野菜を育てて食べるだけの趣味ではありません。植物の命の循環、成長の仕組み、天候との付き合い方、どういった土づくりをすればいいかなど、野菜づくりから学ぶことは本当にたくさんあります。

野菜を育てるには、ただ種をまいて水をあげればいいというものではありません。(もちろんそれでも育ちますが)栄養管理や剪定、防虫対策も必要ですし、天気の影響も大きく受けます。

「雨が降らなければ水やりに行こう」「霜が降りる前にカバーをかけよう」といった日々のケアを通じて、自然との向き合い方も変わっていきます。

また、苗ではなく種から育てる楽しさや、思いがけず育った珍しい品種に出会える喜びも、家庭菜園ならではです。

食べる楽しみ、広がるコミュニケーション

野菜作りを始めてから、料理にも関心を持つようになりました。
「どうやったらこの野菜をもっとおいしく食べられるだろう?」と考えるようになり、包丁を持つ時間も増えました。

また、市民農園などの場所を借りることで、そこで出会う人たちとの交流も生まれます。野菜作りという共通の話題があるからこそ、年齢や職業を越えたコミュニケーションも自然と広がっていくこともあります。

最後に──まずは、できることから始めてみませんか?

家庭菜園は、50代からの人生をより豊かにしてくれる、そんな“暮らしのスパイス”だと思います。趣味としての自己満足も素晴らしいですが、そこから生まれるつながりや学び、そして人に喜ばれる喜びは、何にも代えがたいものがあります。

今はネットやYouTubeなどで情報も簡単に手に入る時代です。興味がある方は、まずはプランター1つからでも始めてみてください。小さな一歩が、きっと大きな楽しみに繋がっていくはずです。

家庭菜園、ぜひ一緒に楽しみましょう!

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この記事を書いた人

無理せず楽しく、手作りの小さな暮らしを大切に。
アラカンの「つづく生活」実践者です。
半自給自足を目指しながら、仕事・趣味・家のことをコツコツ楽しんでいます。
日々を淡々と綴ることで、人生を整えるヒントが見つかればと思っています。

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