先日、春から商売を始めた知人夫婦に会う機会がありました。ある方からお店を引き継ぎ、二人三脚で新しいスタートを切ったばかりの二人です。
先月にも商売を始めるのでいろいろと話をさせて欲しいと、泊まりがけでゆっくり話したばかりです。今回もお節介ながら思っていることをお伝えする事ができました。
話をしている中で、自分の考えが自然と言葉になって出てくる瞬間ってありますよね。自分の思いを誰かに伝えることで、改めて自分の中でも気づきや整理が起きて、「ああ、自分はこう考えていたんだな」と再確認できることがあります。今回もそんな感覚を味わいました。
お金についても、そんな話の中で自然と口をついて出たことがありました。
お金はぐるぐる回っている
「お金って、エネルギーの循環だからお客様からは気持ちよくお金はもらわないといけないよ」
そんなふうに私は伝えました。
実は帰りがけお金を払おうとした際、「今日はいいですよ」と言われて出た言葉なのです。
誰かにサービスをしたら、その対価としてお金をいただく。そしてそのお金を、また誰かのサービスや商品に気持ちよく使う。そうして巡り巡って、また別の形で自分のもとにお金が戻ってくる。
この流れが滞ることなく続いているとき、お金に困ることって、実はあまりないような気がしています。
「ありがとう」の気持ちを込めてお金を払う。
「ありがとう」の気持ちを込めてお金を受け取る。
そうやって、お互いが気持ちよくエネルギーを循環させることが、良い関係や良い商売の土台になると感じています。
握りしめると、流れが止まる
逆に、「もったいない」と必要以上にお金を握りしめたり、出し渋ったり、ねぎったりすると、不思議とお金の流れが悪くなるように思います。
そして、そんな気持ちは周囲にも伝わります。お金に対する考え方は、人間関係にも現れてきます。セコい態度や損得勘定ばかりの人の周りには、やはり似たような人が集まってきます。気持ちよくお金を使う人の周りには、同じように気持ちよくお金を使ってくれる人が集まってきます。
お金をどんなふうに扱うかは、自分の人間関係や仕事のあり方にもつながっていると思うんです。
小さな暮らしと、必要なお金
もちろん、生活の中で必要なお金はあります。何かあったときのための備えも必要です。
でも、私は最近「たくさん稼いで、たくさん貯めること」だけが安心につながるわけではないと感じています。小さな暮らしを大切にして、自分に合ったリズムでお金を使っていれば、そこまで多くのお金は必要ありません。そして、そんな暮らしの中でこそ、お金に振り回されず、心が安定していくのではないかと思います。
心が穏やかになると、身体も元気になります。お金の不安に心を支配されるのではなく、気持ちよくお金と付き合っていく。その感覚を忘れずにいたいと思います。
最後に
これから商売を始めるご夫婦に、そんな話を少しだけ伝えました。どう受け取ってくれたかはわかりません。でも、私自身が今こうして楽しく暮らしていられるのは、こういう考えを持てるようになったからだと感じています。
お金は道具であり、エネルギーでもある。だからこそ、気持ちよく回していく。そんな視点を持つと、日々の暮らしや人との関係が少しずつ変わっていくかもしれません。