【食料自給率】
日本は食料自給率が低く輸入に頼っていると言われています。
ここだけ聞くと生産者の高齢化が進み、作る人が減って来ていてこのまま行くと、食べるものの価格が高くなって不安に感じる方もいると思います。
ところで食料自給率には指標があって、カロリーベースと生産額ベースの2つがあるのをご存知ですか?
カロリーベースは生産される食品のカロリーを元に、国内でどれだけ自給できているかを測ったものです。
つまり野菜やお米など比較的低カロリーなものを、どれだけ作っても自給率はさほど上がりません。
逆に油の原料となる菜種や大豆、胡麻などを多く作ると、カロリーベースでは自給率が上がります。
もう一つは生産額ベースです。
こちらは国内で消費された食料の総消費額を基に計算したものです。食品として高価格なものを生産するとこの数値は上がります。わかりやすい例で言うと和牛などがこれに当たります。
つまり和牛に比べ価格の安いお米などがどれだけ消費されても、生産額ベースでは低くなると言うわけです。
このことを知っているだけで、日本の食料自給率の低さが原因で、米不足や野菜の高騰につながっている訳ではないことがわかります。
だってこの間まで米不足とか言っていたけど、本当にお米が市場から無くなったかといえば、そうではなくコンビニでもファミレスでも牛丼チェーンでもお米はあったし、そして毎日大量に廃棄していたと思われます。
ちなみにお米だけの食料自給率はほぼ100%あるってご存知ですか?
これは保護政策もありほぼ国内だけで生産しているからです。
最近の報道を見ていて感じることなのですが、事実には間違いがないのですが、どうも何か意図を持って操作しているかのような報道が多いように感じます。
これって気のせいでしょうか?
米不足は
・近年の人口減少や食生活の多様化による需要低下に合わせた作付面積の減少
・高温障害による生産量の減少
・小麦製品の原価高騰による米への需要増加
・災害による買いだめ心理
などが理由ですし
野菜の高騰に関しては
・栽培地の高温障害による生育の遅れや生産量の減少
・それに伴う大生産地からの供給不足
などが挙げられると思います。
これらの理由を理解しておけば単純に不安に駆られて、買い占めなどの行動をとらなくても済みます。米不足と言われていたのは新米が収穫される直前でしたので、それまで小麦製品を食べれば済むことですし、野菜不足もキャベツやじゃがいもなどが高くても、別の代用となる野菜を食べていれば、地場の野菜が収穫期を迎えたときに価格は必ず戻ってきます。もちろん食料を生産する環境は年々厳しさを増していますが、地元やその近郊で生産地があれば収穫がゼロになることはありません。
情報に踊らされずに消費者が判断できる知識を持って行動すれば、不安に駆られ買い占めなどの行動に出ることはありません。まずは自身で現状の認識を捉える必要があります。