5月に行われたトレイルランニングの大会で転倒してしまい左膝内側の半月板を損傷してしまいました。
これまで毎朝1時間約10キロほど走ることが、私の楽しみの一つだったのですがそれができなくなってしまいました。
整形外科で半月板損傷と診断されたときは、「もう走れないのか」とショックでした。
なんとかならないかとドクターに聞くと、半月板の手術を勧められましたが、「あなたの場合O脚なので、半月板だけを手術しても意味がない。もし手術するなら、膝下の骨を切ってアライメントも矯正する必要がある」とのこと。
エッ!骨切るの?マジで?
これ素人考えですが、膝下の着地角度が悪いからってそこだけ角度調整して、元どおりになる訳ないと感じました。体全体がねじれているので、そこから矯正しないと膝下の矯正が別の体のどこかに無理をかけてしまい、膝の痛みは取れるかもしれないが、別のところに痛みが出るような気がします。しかも手術後3ヶ月間松葉杖で歩行訓練して、走れるようになるまでに7ヶ月もかかるとのこと。
いや〜、そりゃ無理でしょ。そこまでする価値は私の脚には無いです。
それで今、半月板の損傷は一旦置いて、O脚をストレッチなどで少しでも治していけないか?と模索しています。膝の中の炎症箇所が治れば水が溜まることもないので、軽いジョグくらいならできそうです。現在は正座もできますし軽いジョグもやろうと思えば出来る状態まで回復しました。
これでO脚の状態を少しでも正せたら、膝への負担も減らせられそうです。
と思っていた矢先のギックリ腰。
しかも治りが異常に長い。
これおそらく加齢による身体の硬直化と、これまでの無理が祟ったのだと思われます。
とは言え、近い将来腰の具合が良くなったら、またランニングを再開しようと考えています。
現在は、体のメンテナンス期間と決めて整体や、腰と股関節周りのストレッチを中心に行っています。長きに渡りランニングを生活の一部としてきましたが、強制的にリセットさせられました。
それでランニングの代わりにウォーキングを始めました。ウォーキングはランニングに比べ行動範囲が狭くてマンネリになりやすいです。以前のランニングなら1時間ほどでもコースを変えて周回できていたのですが、ウォーキングだと1時間で5キロの移動なのでエリア探索というより、直線で2.5キロ行ったり来たりで終わりなので飽きやすいです。ただ見える風景がランニングに比べ解像度が高くなった気がします。
また運動中にポッドキャストを聞くことは、これまでと同じように出来るので嬉しい限りです。
しかし困ったこともあります。それは太ったこと。同じ時間動いてもウォーキングはランニングに比べ約半分の消費カロリーなので、これまで通り好きなだけ食べて飲んで太ったら、長時間走ればいいというわけにはいきません。これは節制するしかないのですが、これまでの生活習慣もあるので中々難しいですが少しずつ出来ることを探していこうと思っています。
こうして走れなくなってから、生活を見直してみると太った以外はそれほど変わっていないことに気がつきました。
大会など目標としていたものに向かって努力する楽しさは無くなりましたが、もうそれはいいやと思っていたので、別に悔いはありません。
それより気がついてことがあります。これまで目標に向かって練習を真面目にやってきたけど、本当は怪我をしないで長く続けられる事を目標にした方が良かったんじゃないか?という事です。
競技をやっているうちは記録やタイムにとらわれてしまいがちですが、怪我をして走ることそのものが続けられなくなってしまっては元も子もありません。みんなある程度走れるようになると、さらに高みを目指していろいろ調べたりして走るトレーニングをします。しかしそれらは走るための筋肉を鍛える行為です。
筋肉は使うと必ず硬くなります。練習後一旦緩めることをしないと、気づかないうちに体が強い方に捻れていきます。若いうちやある程度なら大丈夫なのですが、アスリート気質のある方なら自分に負けるのが嫌で更に強度の高いトレーニングに進んで行きがちです。
真面目だからこそそれをできるようになろうと一生懸命になる。しかしそれが出来る準備が整っていなければ、怪我をするだけです。そういうときは、一旦負荷の高いトレーニングは諦めて土台作りから始める。それしかないと思います。それは決して遠回りではなく、自分の現在のフェーズがそこだと言うことです。人と比べてもなんの意味もありません。自分の状態を知り、なりたい目標に向けて今やるべきことを淡々と続ける。必要であればうまくサボったり、そんな自分を許してあげる。そしてできることをゆるっと続けていくことが、長い目で見たときに最も最短でゴールに辿り着けるルートです。
よくある話で、頑張って成果が上がってくると結果もついてきて、周りからも一目置かれるようになる。そんな小さな成功を体験すると、気持ち良くなってすごいと褒められることが目標になってしまう。
そのことを否定はしませんが、誰のために何をやっているのか考えれば答えはすでに出ているはずです。
自身が目標とするところへ辿り着くために、今できる事は何なのか?を知り行動する。それに他人は関係ありません。体が疲れていれば疲れを取るためによりよく休ませる。筋肉が付いてきたらきちんと解してあげる。何十キロも走れるようになったら、すでに普通の人ではありません。記録など無視して体を労ってあげることが必要なんです。
プロのアスリートでさえ練習前と後にマッサージやストレッチを行いますし、定期的にプロからマッサージしてもらい体の調子を整えています。
F1マシンもあれだけ早く走れるのは、エンジンやサスペンション、ボディなど全てに置いてメンテナンスしているからこそのパフォーマンスが発揮できていると言えます。
ですので、私たちのような市民ランナーレベルであっても、日頃のメンテナンスってとても大切です。
しかし真面目なランナーはめっちゃ走るくせに、キツくない、見た目に一生懸命に見えないストレッチやマッサージには不真面目です。
ランニングを含め好きなことを長く続けるためには、無理はせず、長期戦で向き合うのが大切です。誰より速いとかこれだけ優れているという比較は、自分が好きなことをやり続けるために必要はありません。そんな比較で他人ばかり見ていたら、本当に好きなことが見えなくなってしまいます。
走ることが好きなら、それができる状態を長く続けられる体を維持することも大切です。好きで走っているのに、それが原因で走れなくなるなんてまさに本末転倒です。
最近思うのですが、努力って大切ですが間違った努力をしてしまうと、進もうとしているのに自分にブレーキをかけてしまうことになるものだと気が付きました。
正しい努力とは押す力だけではなく、整えたり戻したりすることでもあると分かってきました。(遅いっちゅうの!)
なので、人と比べることなんて意味がないし、焦ることもありません。自分の置かれたステージで今何をするのが一番なのか、それを考え行い継続することこそが努力なのだと今回の怪我によって気付かされました。
ほら、こんないいことに気づいて昔書いているよ。
また走れるようになるために今焦らずしっかり治そうね。