雨戸の戸袋に泥バチが巣を作ったので、駆除して巣を庭で壊して捨てました。中からは足の長い干からびたような虫と、幼虫がいました。この足の長い虫はなんだろう?蛹よすまぬと心の中で詫びて他のことをやっていたら、数分後には蟻が集っているではありませんか。
「えっ、どうやってここにいるってわかるの?」ってくらいに蟻が集まってきている。
その様を見ているとなんとも言えない感情が湧いてきて、目が離せなくなってしまいました。
この蛹たちはほんの数分前には、ぬくぬくと巣の中で成長していたのに、今や蟻たちに巣に運ばれ食われていく。なんという残酷な情景だろう。
それにしても生きるために、食い物を探し自らの巣に運ぶ働き蟻たちを見ると、一番怖いのはこいつらなんじゃないか。虫たちに感情や思考などがあるかどうか分からないが、餌がある、仲間を呼ぶ、大きいので食いちぎって巣に運ぶ。ただそれだけだ。それは蟻からすれば正しいことなのかもしれないが、人間の私からすればなんとも残酷な情景に映り、諸行無常を感じ、改めて自然というものの大きさと怖さを感じてしまった。
しかし本当に怖い存在は我々人間なのではないか?
自分の都合で虫を害虫と認識すればことごとく駆除する。そして生きるために動植物を捕食する。ほとんどの人間が食べ物を前にして命を感じないのは、食材になる前の命を見ることがないからだ。同じように自らが生きるために、他の命を喰らいながら生き続けている。さらに他の動物より悪いのは、経済という人間にしかない欲望を満たすために、不必要な命まで殺している。なんだ、最も残酷な生物は我々人間の方じゃないか。何を綺麗事を言っているのだ。
などと様々な感情が交差し、心の中が乱れ、なんと言えば良いのか分からない感情が抑えられなくなってしまいました。
人間は見えている世界や知っていることだけで、世界を把握しがちですが、自然の中から見れば我々もその一部であり、実にちっぽけな存在なのだと。今日の様子を観察していて感じてしまいました。
どっちが上でどっちが下なのか。それは人間が見ている世界で勝手に決めているだけで、本当はまるで違う世界があるのかもしれません。
すみません。
今日は灼熱の太陽にやられたようです。