ChatGPT使っていますか?私は仕事で使う機会が随分と増えてきました。なんといっても検索より質問の内容にややブレがあっても、的確に正解を教えてくれます。
最近ではWebページでこういうレイアウトを作りたいと画像を送ると、瞬時にhtmlとcssを書いてくれます。これには衝撃を受けましたが、すぐに当たり前のこととして受け入れられる日が来るでしょう。
こういったAIによる技術の進歩は、これまで技術をサービスとしいて販売していた人たちにとっては、それだけでは同じ金額でサービスを継続することが難しくなります。逆にそういった時代に求められるのは、AIの技術を使った新しいサービスを考えなければいけません。それは何なのでしょうか。私はこれまで以上に自分の頭で考えることの重要性と個性の時代になると感じています。
先日テレビで最近パン屋を開業する人が、パンの総合商社が提供する出店サービスを利用して、成功しているという番組を見ました。
昔であればパン屋になろうと思えば、どこかのパン屋で修行して、パンを製造や経営に関する技術を覚えてから独立開業するのが普通で、ある程度時間がかかるものでしたが、そのサービスを利用すれば、パンの製造技術の習得に始まりメニュー開発、店舗デザイン、製造機器の選定設置、等々の経営ノウハウを短時間で得られるそうです。
これって昔でいうところのフランチャイズのように感じました。当時のフランチャイズですとお弁当屋や、コンビニエンスストアに代表されるように、画一された店舗の上で仕入れから販売まで同じシステムで運営していくというものです。
それが現代ではオーナーに合わせた形態のように見えますが、共通した運営ノウハウをもとにしているという点ではまさにフランチャイズじゃないかと感じました。今でいうところのサブスクシステムです。
これだと短時間にお店を作って運営できるのですごく効率がいいように感じます。しかし、少し違ったことをやろうとすると途端にアイデアが出てこないのではないでしょうか。なぜならお店を作ったことのあるのはノウハウを持っている会社であって、そのお店のオーナーではないからです。
現在のところAIから出てくるのは過去の膨大な人間の経験に基づいたものばかりです。それらをうまく組み合わせてこれからを予測するのは人間の経験に頼らざるを得ません。その経験をせずにノウハウだけを得ようとするのは何だか勿体無いような気がします。
無駄なく合理的に運用したい気持ちは理解できますが、自らの経験を元にブラッシュアップしていく方が建設的だし、何より蓄積したものがあります。
目標通りにならなかった時に、「じゃあ、どうすればうまくいくか」を自ら考え、行動することで経験が蓄積されます。これこそがこれからのAI時代において最も重要だと確信しています。
もちろん基本は大切です。しかしノウハウを全て受け入れては、経営のあらゆる場面において、受け入れたノウハウの何が基本かわからなくなるのではないか。
ノウハウは過去のものです。それはお金で簡単に手に入れることが可能な時代になってきました。しかし社会もその時代を生きる人間も変わってきます。その人や社会は未来にあります。そこに役たつノウハウはAIにはまだありません。
100人いればやり方は100通りあって当たり前です。しかも個人レベルで簡単に情報を発信できる世の中です。
一見無駄のように思える自ら考えるという行為ですが、「急がば回れ」は真実なのです。AI時代だからこそ個人の経験がものをいうそんな予感がしています。