2017 UTMB CCC に参加してきました — CHAMPEX – GOAL編

無事ゴール!
目次

レース前に知らされた突然のコース変更

そう言えばスタート前に、
大会事務局より天候によるコース変更の知らせがSMSで来ていました。

CCC finish modification: from Vallorcine, ascent directly to La Flégère, without going through Tete aux Vents

最後のTete aux Vents(2130m)へは行かずに、
最後のチェックポイントであるLA FLEGEREへ直接行くようにとのこと。

CCC計画表

コースはわかりませんが、
一つ高く登らなくていいのならラッキーくらいに思っていました。
それがそれが…
そのあたりはまた後ほど書きたいと思います。

いきなりやって来た睡魔

CHAMPEXを出て先へ進みます。
時刻は22時過ぎ。
当然辺りは真っ暗。しかも冷たい雨がしとしと降っています。
さっきまでの暖かいエイドとは打って変わり、
真から冷える寒さです。

以前、レスキュー講座を受けた時、
低体温症になった人への対処として次のことを学びました。

体を温めるには温かいものを食べさせてとにかく動かすこと!

当たり前のことですが止まったら体はどんどん冷えていきます。
食べ物はさっきしっかりと食べたので、
とにかく体が温まるまで動き続けます。

小さな魔法瓶

タイガー水筒 200ml 直飲みステンレスミニボトルサハラマグ軽量夢重力ブラウン MMP-G021-TV Tiger

魔法瓶に入れた温かいお茶も寒さを凌ぐのにすごく役に立ちました。
寒さ対策もちゃんとしてきてホントに良かったです。

次のエイドであるPLAN DE L’AUへ到着し、
もう自分の目標タイムなどはどうでも良くなっていました。
目指すはゴール。
関門切りにならなければ、
まぁ、いいかという気持ちでいたので、
気が緩んでいたのでしょう。
La Gieteから始まる3つのピークも、
上りは流れに任せ、歩けばいいやとゆっくりと進んでいました。

人間、余裕を持つと眠くなるようで、
La Gieteの上りの眠いこと眠いこと。
時々、後ろのランナーが「ドンッ!」と背中を叩いてくれますが、
一向に眠気がおさまりません。

人の行動は気持ちで変わるんですね

その時、胸のスマホから音が鳴りました。
送信者は日本から見守っていてくれているMさん。

到着予想時刻が13時30分になっていますよ!
このままじゃ、ゴールできないかも。

気づいてくれればいいけど…。

と。

タイムスケジュール

なんですと!
まだ1時間30分余裕があるんじゃないの?
と半信半疑ながらやっとこさ上りきり、
ちょっと頑張ろうかな?と下りに差し掛かった時、
さっき通過したばかりの、
La Gieteのチェックポイントで少しお話した、
日本人の女性ランナーさんが、
ものすごい勢いで下って行きました。
「あれ?制限時間ヤバイの?」
大丈夫なはずなのになんでそんなに急ぐんだろう?
って思いながらボツボツ進んでいると、
途中のチェックポイントに大きな掲示看板がありました。

気持ちが焦っていてちゃんとは読んでないんですけど、
何人も立ち止まって深刻な様子で看板を見つめている。
こういう時、人は悪い方へ考える生き物のようです。
コース変更に伴い、関門時間も短縮されたんじゃないかと勝手に思い込んでしまいました。

事実、予定より3時間遅れていて、
キロ2.3キロのペースで進んでいては絶対に間に合わないペースでしたが…

そこからは、もう、ひたすらプッシュしまくり。
眠気なんか何処かへ飛んで行き、重かった足も快調に動きます。

人って気持ちでどうにでもなるのね(*´∀`*)

TRIENTまでの下りは何度コケたかわからないくらいに飛ばしました。
泥だらけになりながらやっと到着したTRIENTで、
関門時間とコースについて確認し、やっぱり大丈夫だと確認しましたが、
もう少し縮めておこうと思い休憩もそこそこに出発。
Catogneまでもプッシュして一気に上り、
VALLORCINEまでは気を抜かずに頑張りました。

完走後、冷静に考えてみると、
そんなにプッシュしなくても良かったみたいなんですが、
レース前に綿密な計画を立てておかないと、
眠くなった時に正しい判断が出来ずに焦ったりするので、
このあたりも反省点ですね。

明けていく空

VALLORCINEを出る頃には夜も明け始めていて、
美しい景色を再び見ることができちょっと安心してしまいました。

最後は思い込みやら格好を気にしたりして何をやっているのやら

UTMBのコースマーカー

日の光って凄いです!
太陽の光で視界がひらけてくると、焦っていた気持ちがなくなり落ち着いてきました。
最後の上りへ差し掛かった時、
次のピークであるLA FLEGREまで行けばあとは下るだけ。
しかも手前の2130mもあるTete aux ventsには登らなくていい。
この時、すっかり楽勝気分になってしまい、
気持ちの緊張が切れたような感じでした。

でもここからの上りが一番きつかったです( ´Д)
やっぱり

あとでコースを見て思ったのですが、
Tete aux ventsまで一気に登って、
LA FLEGEREまで下るほうが良かったんじゃないかと。
ずっとだらだらと登って一旦下り、
そして最後グッと登る今回の迂回コースのほうが、精神的に嫌らしかったです。

LA FLEGEREまであと少し

ペースもついついゆっくりのランナーがいると、
きつくない方に流され合わせてしまうんですよね。
疲れてくると自分のペースを意識せずに、
なんとなく行ってしまいがちです。
何度となくこの状態に陥ったので、
この点は大きな反省点でした。

最終チェックポイントのLA FLEGEREはスキー場の上にあるので、
なかなかの傾斜をだらだらと登らされ最後はヘトヘトになりました。

LA FLEGERE

やっと着いたLA FREGERE。
チェックを受け水を少し補給し、
ゴール目指していざ出発。

人は余裕ができると良からぬことを考える生き物です

ここから先はずっと下りです。
下ってゴールだからみんなペースが上がるかと思いきや、
なぜだかみんな歩いているではありませんか?
最初、同じタイミングでゴールしたくないからとか?
訳の分からないことを考えていたんですが、(←そんなわけ無いです!)
なんとなく合わせてしまい歩いて下ってしまいました。
ただ単にみんなキツかっただけなんでしょうね!

下りもノロノロ過ぎたので途中からペースアップ。
しかし、最後のチェックポイントから8キロ下るんですが、
中々下りが終わらない。
下っても下っても眼下にはシャモニーの町が見えます。
そのうち、止んでいた雨もまた降り始めてしまいました。

前にランナーがいると簡単には抜けないので、
歩いたり走ったりの繰り返し。
下り長いとけっこう足にくるんですよね。

途中で中国の方が脇で止まって着替えていました。
何しているんだろう?って考えながら進んでいると、
また同じように着替えている人がいて、
「あぁ〜、そうか!最後ゴールは汚れた格好じゃなくきれいな格好でゴールするためか!」
と気づきました。

それで僕も、

よし!最後くらいきれいな格好で写真に写ろう!( ̄ー ̄)ニヤリ

とバカなことを考え上下のレインウェアを脱ぎ、
ザックのバンジーコードに引っ掛け準備完了。

走り出したら大粒の雨が降り出しました( ;´Д`)

しかも寒いし最後の最後で何やっているんでしょうね?オレ?

でも、シャモニーの街に入ってからは、
この瞬間のために頑張ってきたと思えるほどの歓迎ぶり。
町中の人の、
「ブラボー」や「アレ・アレ・アレ」の掛け声、
そして看板を叩く音。
もっと味わっていたいと思うくらい最高の気分で、
看板で仕切られたコースを回り、
最後、サポートしてくれた妻と手を繋いてゴールしました。

無事ゴール!

目標タイムからは大きく遅れたけれど、
無事ゴールできて本当に良かったです。

UTMBで開催されるレースは普段参加する大会と少し違っていて、
ランナーにとってのお祭りのようであり、
最高の晴れ舞台のようでもあり、
そしてご褒美のような大会でした。

ご褒美のようなレースに乾杯

実際は飲んでいませんよ

参加する前には長いと思っていた101キロは、
終わってみればあっという間の夢のよう時間でした。

ゴール後Mさんと

ゴールしてフィニッシャーズベストをもらい、
TDSに参加していたMさんと記念撮影。
TDSってUTMBより厳しいらしいのですが、
そんな厳しい大会を完走されたMさん。凄いですね。
TDSはいつかは目指してみたい大会の一つです。

写真を撮った後めちゃくちゃ寒くなって、
すぐにレインウェアを着込みました。
しかも大粒の雨が降り出して余韻を楽しむこともなく終了。
さすがに歩いて帰る元気もなく、
バスで帰ることに…。

バス乗り場までやっとこさたどり着きましたが、
とにかく寒い!
そしてバスが来ない!!
20分以上待たされやっとバスに乗れました。
しかしこちらのバスの運転手さん運転が荒く、車中はなかなか揺れるんですよね。
普段だったら全然平気なんですが、
さすがに踏ん張りがきかずコロンと転げちゃいました( ̄▽ ̄)
それをみた運転手さんがバスを下りる際、
なんか笑いながら言っていたけどなんて言っていたんだろう?

宿へ帰りシャワーを浴びてとりあえず仮眠。
もう、瞬間落ちました( ̄▽ ̄)

美酒に酔いしれました

でも、お腹って空くもんですね。
5時間ほど寝たらちゃんと起きれましたもん。
で、ずっとガマンしていたアルコール投入。
今日はどれだけ飲んでも怒られないだろうな〜と思い、
美味しくワインをいただき、最高に幸せでした。

おまけ

このまま寝るつもりだったんですけど、
何の気なしにスマホをいじっていたら、
サロモンの丹羽薫さんがもうすぐゴールすると分かり、
それじゃあ、行くしか無いねってことで、
歩いてゴール地点まで。
歩けるかなぁ〜と少し思いましたが、
何の問題もなく歩いて行って帰ってこれました。

丹羽さんとは今年3月に六甲のトレイル講習でお会いしましたが、
明るくて光るものを持っている方だなぁ〜というのが最初の印象でした。
お会いしただけのご縁ですが、
丹羽さんの凄い瞬間に立ち会えてラッキーでした。

表彰式編へ続く

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この記事を書いた人

パソコンとネットの何でも屋さん兼農家見習い中
2021年に奥さんに腎移植して人生の価値観が大きく変わりました
何が起きても諦めずに生き抜く力が一番大切
時々ブログも書いてます

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